潰瘍性大腸炎

大腸の慢性炎症性疾患で、原因は不明ですがストレス、免疫異常が関係していると考えられています。食の欧米化により増加しており、罹患者数は90000人に達しました。初期では腹痛と下痢、粘血便(粘液と血便)を認め、重症になると排便回数が1日10回以上となり発熱や貧血を伴うようになります。

病気の範囲で直腸炎型、遠位大腸炎型(S状結腸まで)、左側大腸炎型、全大腸炎型に分けられます。

治療は薬物療法としてアミノサリチル酸製剤(ペンタサ、サラゾピリン)の内服や座薬、浣腸による投与や免疫抑制薬、ステロイド等があります。他には血液ろ過療法があります。大腸穿孔(腸に穴があく)や中毒性巨大結腸症(大腸が拡張し腹痛や高熱、貧血を呈する)となった場合は手術が必要です。

また、10年以上経過した全大腸炎型では、発がんのリスクが高いといわれ、定期的な大腸内視鏡検査が必要です。

潰瘍性大腸炎の年度別患者数の推移