PET検査

PET(Positron Emission Tomography)とはポジトロン断層撮影法のことです。

検査はポジトロンを発するブドウ糖を体内に注入し、ポジトロンを読み取るカメラで全身を撮影します。がん細胞は正常細胞の3~8倍ものブトウ糖を摂取するため、がん細胞があればそこに薬剤が集まり、がん細胞が光ったように写るのです。1回の検査で全身の癌の検診が出来るわけですから画期的な検査法ですが、PET検査に向かない臓器もあり、胃や大腸では内視鏡検査の併用が必要になります。

大腸癌に対するPET検査の感度は非常に高いとされていますが、生理的集積(腫瘍がなくても、腸の蠕動等の影響で集積する事)が多いという問題点があります。

PET検査で大腸に異常集積したと、ひどく落ち込んで来院される方が、多く見受けられます。生理的集積が多く、あまり心配しなくてもよいことを説明するのですが、実際にどのくらいの確率で癌が見つかるのかを示したデータが無かった為、自身で調べたことがあります。

PET癌検診で大腸へ異常集積が認められた79例に大腸内視鏡検査を施行し、大腸癌5例と大腸ポリープ5例の計10例の大腸腫瘍が発見されました。癌が発見される確率は6.3%、ポリープも含めて考えると12.7%でした。

早期発見すれば、早期治療に結びつきますので、当然、大腸内視鏡検査はすべきですが、正診率は便潜血反応検査より少し高い程度なので、過度に心配しなくてもよいと言えるでしょう。

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